2012年 02月 24日
ラグーを作ろう |
*パルミジャーノをラグーにたっぷりかけて至福の味。
日々の食事をFacebookにアップしていると、皆の興味をひく料理というのがあります。美味しそうという感想に続いて「どうやって作るの?」と聞かれる確率の高いメニュー。
つまり食べてみたい〜の次に作ってみたくなるということですね。それは例えばラグー。ボロネーゼともいう、いわゆるミートソースです。ラグーは代表的なイタリア家庭料理のひとつで、それだけに各地方、各家庭によって味は様々。日本でも最もポピュラーなイタリア料理だと思いますが、実は相当に奥が深い。旨いラグーを作るには、手抜きは禁物、きちんと手順をふまなければなりません。
今回はリクエストにお応えして私のラグーのリチェッタをご紹介します。分量は一度に作る目安として、ひと鍋分。挽肉は、できれば牛豚合挽でなく、牛と豚を別々に買い、比率を調整します。牛すじ肉を入れるとコクが出て、食感も格段にアップしますよ。
〈材料〉A)牛挽肉300g・牛すじ肉200g(牛すじ肉がなければ牛挽肉500g)・豚挽肉200g
B)玉ねぎ中1個・にんじん1本・セロリ1本・ニンニク1片
乾燥ポルチーニ適宜・ドライトマト4〜5枚(この2つはできれば入れたいけれどなくてもオッケー)
トマト缶(ダイストマトが使いやすい)2缶・トマトピューレ大さじ2〜3杯
ローリエ2〜3枚・オレガノ適宜。赤ワインカップ1・マルサラ酒適宜(なければザラメひとつまみ)・オレンジ又はレモンの皮少々。
◆下準備/Bの野菜はすべてみじん切り、牛すじ肉は1センチ角くらいに粗く刻んで。
ドライトマトは粗みじん、ポルチーニはぬるま湯に浸して戻してから粗みじん。(戻し汁は使います)
◆ソフリッジャーレ/厚手の煮込み鍋にみじん切りの野菜、オリーブオイルを回しかけてから火にかけます。野菜が焦げないように注意しつつ中火でゆっくり炒めます。野菜から水分が出てしんなりし、3分の1くらいの量になるまでおよそ6〜7分。野菜の水分をとばしきるのが肝心です。
◆肉を焼く/野菜を一旦取り出してから、少しオイルを足し、挽肉を鍋に入れます。軽くほぐしながら肉をよく焼きつけます。均一に肉がほぐれてきたら鍋の片側に寄せ、あけたところへすじ肉を加えます。すじ肉をよく焼いてから挽肉と混ぜ込み、そぼろ状態になるまで水分をとばします。肉汁が透明な油分だけになるのが目安。そこへ野菜を戻します。
◆煮込み/肉と野菜、ドライトマト、刻んだポルチーニを加えてざっと混ぜてから、水分系の材料、トマト、ポルチーニの戻し汁、赤ワイン、トマトピューレを加えていきます。ローリエ、オレガノを入れ、胡椒を挽き、煮込みます。
◆香り/およそ15分ほどアクを取りながら中火で煮たら、細かく刻んだオレンジの皮、マルサラ酒を加え、さらに10〜15分煮ます。水分が足りない場合は赤ワインで補います。
◆塩/煮込んで全体に艶が出てきたら、味見をして、はじめて塩を入れます。胡椒も好みで追加。塩を入れてからは5〜6分ほど煮込み出来上がりです。
肝心なのは塩を入れるタイミング。必ず最後の最後です。肉も野菜も本来持っているミネラル分が煮込むことによってひきだされ、塩味と感じられます。素材から出たコクと塩分を確認してから、補うつもりで塩を加えます。これはすべての煮込む料理について同様です。魚介類などは元々塩分が多く含まれているので、特に注意が必要です。
以上、重要なのは最初の段階で肉も野菜も水分をとばすこと。そして塩は最後に、です。
典型的な失敗例ーー水分の残った生煮え状態の玉ねぎに挽き肉を加え、赤味が残った生焼け状態に水分の多いトマトやワインを入れてしまうと、もう後はどうやっても野菜のざらつきと肉の生臭さが残り、なかなかに残念な仕上がりになります。また、煮込み始めに塩を入れてしまうと、素材の味は閉じ込められてしまい、水分だけが煮詰まって塩辛くなります。一度塩辛く煮詰まったものは、後から水分を入れて薄めても味は戻りません。
*ラグーにあわせた前菜の例。プロシュットのクロスティーニ、いんげん豆のサラダ、ほうれん草。
*おいしいフォルマッジョがあればさらにいうことなし。
さて、おいしいラグーが出来たら、それはもう幸せです。出来たてもさらっとした味わいでそれなりに楽しめますが、やはり翌日あたりが旨い。なので、ラグーは多めに作りましょう。冷凍保存も可能です。シンプルにスパゲッティやペンネで食べたり、ひと手間かけてニョッキと合わせたり、ラザーニャにもできます。そうそう、食べるときはパルミジャーノをたっぷりかけましょう。ヴィーノはロッソをお忘れなく。
日々の食事をFacebookにアップしていると、皆の興味をひく料理というのがあります。美味しそうという感想に続いて「どうやって作るの?」と聞かれる確率の高いメニュー。
つまり食べてみたい〜の次に作ってみたくなるということですね。それは例えばラグー。ボロネーゼともいう、いわゆるミートソースです。ラグーは代表的なイタリア家庭料理のひとつで、それだけに各地方、各家庭によって味は様々。日本でも最もポピュラーなイタリア料理だと思いますが、実は相当に奥が深い。旨いラグーを作るには、手抜きは禁物、きちんと手順をふまなければなりません。
今回はリクエストにお応えして私のラグーのリチェッタをご紹介します。分量は一度に作る目安として、ひと鍋分。挽肉は、できれば牛豚合挽でなく、牛と豚を別々に買い、比率を調整します。牛すじ肉を入れるとコクが出て、食感も格段にアップしますよ。
〈材料〉A)牛挽肉300g・牛すじ肉200g(牛すじ肉がなければ牛挽肉500g)・豚挽肉200g
B)玉ねぎ中1個・にんじん1本・セロリ1本・ニンニク1片
乾燥ポルチーニ適宜・ドライトマト4〜5枚(この2つはできれば入れたいけれどなくてもオッケー)
トマト缶(ダイストマトが使いやすい)2缶・トマトピューレ大さじ2〜3杯
ローリエ2〜3枚・オレガノ適宜。赤ワインカップ1・マルサラ酒適宜(なければザラメひとつまみ)・オレンジ又はレモンの皮少々。
◆下準備/Bの野菜はすべてみじん切り、牛すじ肉は1センチ角くらいに粗く刻んで。
ドライトマトは粗みじん、ポルチーニはぬるま湯に浸して戻してから粗みじん。(戻し汁は使います)
◆ソフリッジャーレ/厚手の煮込み鍋にみじん切りの野菜、オリーブオイルを回しかけてから火にかけます。野菜が焦げないように注意しつつ中火でゆっくり炒めます。野菜から水分が出てしんなりし、3分の1くらいの量になるまでおよそ6〜7分。野菜の水分をとばしきるのが肝心です。
◆肉を焼く/野菜を一旦取り出してから、少しオイルを足し、挽肉を鍋に入れます。軽くほぐしながら肉をよく焼きつけます。均一に肉がほぐれてきたら鍋の片側に寄せ、あけたところへすじ肉を加えます。すじ肉をよく焼いてから挽肉と混ぜ込み、そぼろ状態になるまで水分をとばします。肉汁が透明な油分だけになるのが目安。そこへ野菜を戻します。
◆煮込み/肉と野菜、ドライトマト、刻んだポルチーニを加えてざっと混ぜてから、水分系の材料、トマト、ポルチーニの戻し汁、赤ワイン、トマトピューレを加えていきます。ローリエ、オレガノを入れ、胡椒を挽き、煮込みます。
◆香り/およそ15分ほどアクを取りながら中火で煮たら、細かく刻んだオレンジの皮、マルサラ酒を加え、さらに10〜15分煮ます。水分が足りない場合は赤ワインで補います。
◆塩/煮込んで全体に艶が出てきたら、味見をして、はじめて塩を入れます。胡椒も好みで追加。塩を入れてからは5〜6分ほど煮込み出来上がりです。
肝心なのは塩を入れるタイミング。必ず最後の最後です。肉も野菜も本来持っているミネラル分が煮込むことによってひきだされ、塩味と感じられます。素材から出たコクと塩分を確認してから、補うつもりで塩を加えます。これはすべての煮込む料理について同様です。魚介類などは元々塩分が多く含まれているので、特に注意が必要です。
以上、重要なのは最初の段階で肉も野菜も水分をとばすこと。そして塩は最後に、です。
典型的な失敗例ーー水分の残った生煮え状態の玉ねぎに挽き肉を加え、赤味が残った生焼け状態に水分の多いトマトやワインを入れてしまうと、もう後はどうやっても野菜のざらつきと肉の生臭さが残り、なかなかに残念な仕上がりになります。また、煮込み始めに塩を入れてしまうと、素材の味は閉じ込められてしまい、水分だけが煮詰まって塩辛くなります。一度塩辛く煮詰まったものは、後から水分を入れて薄めても味は戻りません。
*おいしいフォルマッジョがあればさらにいうことなし。
さて、おいしいラグーが出来たら、それはもう幸せです。出来たてもさらっとした味わいでそれなりに楽しめますが、やはり翌日あたりが旨い。なので、ラグーは多めに作りましょう。冷凍保存も可能です。シンプルにスパゲッティやペンネで食べたり、ひと手間かけてニョッキと合わせたり、ラザーニャにもできます。そうそう、食べるときはパルミジャーノをたっぷりかけましょう。ヴィーノはロッソをお忘れなく。
by tencovenexiana
| 2012-02-24 02:02
| 料理/cucina