2010年 10月 14日
アペリティーヴォのすすめ |
食事の前の軽い一杯、アペリティーヴォはヴェネツィア人にとってなくてはならないものとしてパッセジャータとセットになっている。夕食はふつう夜9時くらいなので、その前の夕暮れの時間に買い物や用足しがてら表に出て、パッセジャータを楽しむ。この時欠かせないのが、なじみのバールでのアペリティーヴォなのだ。そこには必ずといっていいほど顔見知りがいるから(もっとも店の主人自体とも親しいんだけど)、当然ひとしきりのお喋りとなる。毎日のように顔を合わせているので、別段これといった目新しい話題があるわけでもなく、まあ挨拶のようなもの。なかには表通りで網を張って知り合いが通りかかるのを待ちかまえ、何軒もバールをはしごする飲ん兵衛もいるけれど、長居は野暮、さっと一杯飲んだらひきあげるのがヴェネツィア流だ。バールで一杯飲るのは男たちだけではない。夫婦揃って出かけることもあるし、マンマのような年配のシニョーラたちもちゃんと行きつけのバールがあって、アペリティーヴォを日々の楽しみにしている。夕食前はもちろん、お昼の前もアペリティーヴォ。パンやサラダ用の野菜やらのちょっとした買い物を済ませたら、バールに駆け込み一杯。これでひと息ついてから、急いで帰って食事の支度に取りかかる。つまりバールでのアペリティーヴォは毎日の生活の楽しいアクセントとしてしっかり定着してるのだ。
※アペリティーヴォの定番はスプリッツ。
※ヴェネツィアのおうちアペリティーヴォ、サラミとタラーリで!
柿の種はヴェネツィアでもかなり好評。
*ヴェネツィアの家で、タコのインサラタでまずはアペリティーヴオ。最高です。
残念ながら東京暮らしのご近所にはアペリティーヴォするバールはない。ならば「おうちアペリティーヴォ」することにしよう。用意するのは、もちろんヴィーノビアンコ(プロセッコなら最上等)にガス入りミネラルウォーターとリキュールを加えたヴェネツィアの定番カクテル、スプリッツだ。おもてなしなら、早く来た人から順にスプリッツを立ち飲み、皆が揃うのを待つ。カウンターにカンパリ、アペロール、チナールなどのリキュールを並べ、バールよろしく注文に応じて作るのが楽しい。お酒があまり飲めない人も、アルコールを少なく薄めに作れば、皆と同様に楽しめる。アペリティーヴォ用のグラスは、ウーディネのガラクタ市で見つけたデッドストックのノベルティー。リキュールの宣伝用に作られたものらしく、ロゴ入りなのがバールっぽくて気に入っている。素焼きの小鉢にオリーブ(緑と黒を混ぜて美しく)や野菜マリネなどを盛り合わせてつまみに。我が家では「柿の種」もアペリティーヴォのお供です。
※東京のおうちアペリティーヴォのつまみの定番はオリーブ
食事会の時はメニューを用意することにしている。アンティパストから順々に出していく料理の、今どのあたりなのか分かっていたほうがお腹の加減を調節しながら食べられるから。プリモピアットを食べ過ぎて、後が入らなかったということのないように。このメニューを見つつ、期待で盛り上がるのもアペリティーヴォの楽しみ方だ。「食前酒」などというと、なにやらすごく特別でフォーマルな感じがするかもしれないけれど、難しく考えず気軽にやってみてはいかが。気ぜわしく慌ただしかった時間が急にゆっくり流れるような気がする。食事の前に一杯のアペリティーヴォを。すぐにでも始められるヴェネツィア的生活である。
※トラットリア風に手書きのメニューを用意して。ちょっとゴージャスなアペリティーヴォはサン・ダニエレのプロシュットと冷えたプロセッコ!
※アペリティーヴォの定番はスプリッツ。
※ヴェネツィアのおうちアペリティーヴォ、サラミとタラーリで!
柿の種はヴェネツィアでもかなり好評。
*ヴェネツィアの家で、タコのインサラタでまずはアペリティーヴオ。最高です。
残念ながら東京暮らしのご近所にはアペリティーヴォするバールはない。ならば「おうちアペリティーヴォ」することにしよう。用意するのは、もちろんヴィーノビアンコ(プロセッコなら最上等)にガス入りミネラルウォーターとリキュールを加えたヴェネツィアの定番カクテル、スプリッツだ。おもてなしなら、早く来た人から順にスプリッツを立ち飲み、皆が揃うのを待つ。カウンターにカンパリ、アペロール、チナールなどのリキュールを並べ、バールよろしく注文に応じて作るのが楽しい。お酒があまり飲めない人も、アルコールを少なく薄めに作れば、皆と同様に楽しめる。アペリティーヴォ用のグラスは、ウーディネのガラクタ市で見つけたデッドストックのノベルティー。リキュールの宣伝用に作られたものらしく、ロゴ入りなのがバールっぽくて気に入っている。素焼きの小鉢にオリーブ(緑と黒を混ぜて美しく)や野菜マリネなどを盛り合わせてつまみに。我が家では「柿の種」もアペリティーヴォのお供です。
※東京のおうちアペリティーヴォのつまみの定番はオリーブ
食事会の時はメニューを用意することにしている。アンティパストから順々に出していく料理の、今どのあたりなのか分かっていたほうがお腹の加減を調節しながら食べられるから。プリモピアットを食べ過ぎて、後が入らなかったということのないように。このメニューを見つつ、期待で盛り上がるのもアペリティーヴォの楽しみ方だ。「食前酒」などというと、なにやらすごく特別でフォーマルな感じがするかもしれないけれど、難しく考えず気軽にやってみてはいかが。気ぜわしく慌ただしかった時間が急にゆっくり流れるような気がする。食事の前に一杯のアペリティーヴォを。すぐにでも始められるヴェネツィア的生活である。
※トラットリア風に手書きのメニューを用意して。ちょっとゴージャスなアペリティーヴォはサン・ダニエレのプロシュットと冷えたプロセッコ!
by tencovenexiana
| 2010-10-14 01:10
| 料理/cucina