2011年 04月 21日
PASQUA |
私たち日本人が心待ちにする春の知らせといったら、やはり桜の開花ですが、イタリアで春の到来を告げるものといえばPASQUA、つまり復活祭です。復活祭は春分後の満月の日を基準に計算する移動祝祭日なので、毎年日にちが変わります。今年はどういう巡り合わせなのか、4月24日を主日とする1週間と、例年に比べてど〜んと遅い。こうなると春というよりは初夏の訪れに近いかもしれません。ヴェネツィアでも復活祭の頃になると、それまで不安定だった気候は急に覆いを取り払ったようになり、呆れるほど明るく晴れわたった空が広がります。藤やクレマチスの花々が古い石塀と調和して路地や小運河を彩ります。町のパスティッチェリアの店先には復活祭のお菓子、鳩の形のパン菓子コロンバや、小鳥や卵をかたどった色とりどりのお菓子が並び、町ゆく人も「ブオナ・パスクア」と口々に挨拶を交わします。暗い冬が去り春が来る、それに復活祭の連休もあるので、誰もがなんとなくうきうきした気分に満たされています。復活祭は本来、教義的にはクリスマスよりも意味のあるキリスト教最大の重要なお祭りです。イエス・キリストがエルサレムに入城してから、十字架にかかり、そして3日後に蘇るまでの受難と復活の過程を聖なる1週間として辿り、その体験を共有しようというものだからです。しかも、この時期はもともとユダヤ教の「過越の祭」にあたるので、ユダヤの人たちにとっても大切なお祭りと重なります。
私たちがヴェネツィアに通いはじめて十数年が経ちますが、休暇の都合でゴールデンウィークの頃に行くことが多く、ヴェネツィアの皆には復活祭の時期にやって来る渡り鳥みたいな連中と思われていたこともありました。実際、この季節のヴェネツィアはたとえようもなく美しく、どこからみても(ヴェネツィアを賞賛する決まりの形容詞)晴朗なる、Serenissimaと讃えるにふさわしいのです。復活祭という言葉は、特に今の私たちの心に染み入ります。次にヴェネツィアに行くのはいつになるのか、と考えるとちょっと切ない気持ちになります。
私たちがヴェネツィアに通いはじめて十数年が経ちますが、休暇の都合でゴールデンウィークの頃に行くことが多く、ヴェネツィアの皆には復活祭の時期にやって来る渡り鳥みたいな連中と思われていたこともありました。実際、この季節のヴェネツィアはたとえようもなく美しく、どこからみても(ヴェネツィアを賞賛する決まりの形容詞)晴朗なる、Serenissimaと讃えるにふさわしいのです。復活祭という言葉は、特に今の私たちの心に染み入ります。次にヴェネツィアに行くのはいつになるのか、と考えるとちょっと切ない気持ちになります。
*フリウリのカステルモンテの黒いお顔のマドンナ。
by tencovenexiana
| 2011-04-21 23:04
| venezia