2012年 04月 03日
「FUGURO」春のコレクション |
以前にもこのブログでご紹介した宮城県亘理町地域復興手しごとプロジェクト「わたりのふぐろ」春の新作です。
「FUGURO」は、コミュニティー復活の願いを賭けた地元の女性たちによる手仕事プロジェクト。ふるさとに伝わる古きよき習わしや感謝の心をかたちにしようとしています。発足のコアメンバーを中心に、地域の女性たちへ作り手の輪を広げています。
FUGUROのマークは日本の伝統文様の「宝袋」をモチーフに、大切なものを包む心を表現しています。ふぐろの紐は結ぶ、つなぐ、気持ちのあらわれです。製作グループ名の「WATALIS」ワタリスは、亘理町と“お守り”という意味の“TALISMAN”を組み合わせた造語。亘理から多くの方々へ感謝の心をお守りのように届けたいという思いを込めた名前です。
※レトロな柄にフクシャピンクを合わせた色使いが新鮮。ブランドバッグにも似合いそう。
※同じ着物でも柄合わせによって違った表情になります。
※黒の豆絞りと赤のきいた絣がキュート。何を入れようか考えて楽しくなりますね。
FUGUROはもともと、震災により被害を受けて壊すことになった地元の呉服屋さんから譲って頂いた着物を使って作りはじめたものですが、継続的に製作をしていくために、不要になった着物など材料のご提供を求めています。呼びかけにこたえて、多くの方から着物地や反物など材料のご支援が寄せられ、ますますふぐろ作りに励んでいます。
不要になったとはいえ、多くの思い出や気持ちのこもった生地を無駄にしないよう、感謝の気持ちを込めながら縫っています。FUGURO作りの活動には、郷土のゆかしい風習を伝えることに加え、着物地の美しさ、着物を纏うこころを伝える意味もあるのです。
かつては日々の晴れがましい気持ちとともにあった着物たち。亘理の女性たちの手によって、美しいFUGUROに蘇るのは、まさにこの地の復活と重なります。
亘理に伝わる本来の姿を再現したヴィンテージ復刻版タイプ、モダンな色使いがトレンドファッションにも似合うレギュラータイプ、どちらも丁寧なつくりで、作り手の真心が感じられます。
今年に入り「FUGURO わたりのふぐろ」としてブランド化し、チャリティバザーや復興ショップでの展示販売などに出品し、おかげさまで多くの方々にふぐろをお求め頂きました。一方で講習による作り手の拡大、材料調達、助成申請、製作環境、ウェブサイトの準備などなど膨大な立ち上げ作業を並行しながらなので、まだまだ製作が追いついていかない現状です。4月に入り、ようやく仙台に拠点を置くNPO「共生地域創造財団」のご協力を仰ぎ、また様々な方々のご支援を得て、町内に拠点をかまえることとなりました。ふぐろ作りの製作アトリエであり、町の皆さんが立ち寄れる素敵な場になればと願っています。
4月8日にオープンする予定ですが、奇しくもこの日は「復活祭」の主日にあたります。
当日別の復興プロジェクトにより、あらたに亘理のシンボルとなるオリーブの木の植樹も行われる予定で、文字通り亘理の復活祭になりそうです。
「わたりのふぐろ」のフェイスブックファンページはこちら。
by tencovenexiana
| 2012-04-03 14:04
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