2017年 01月 10日
2016年ヴェネツィア旅日記(2週目) |
[11/26土曜日]
最初からこの週末はウーディネの友人たちを訪ねる予定だったけれど、何ということか以前から入院していた友人の女性が亡くなり、その葬儀に参列することになってしまった。
予定通りの電車に乗って昼頃ウーディネに到着、友人のアントネッラが迎えにきてくれる。
まるで図ったように午後からの病院の礼拝堂と墓地での葬儀両方に立合うことができた。ヴェネツィアに通うこと20年、そしてウーディネに来るようになって14年が経つ。奇しくもその間に知り合った人々にいっぺんに会う機会となった。私たちがいるので、皆びっくりしているのも当然だが、一番驚いているのは私たちなのだ。
天に召されたジェンニが奇跡のように私たちを導いてくれたとしか思えない。今回はいよいよいろんな意味で変化をたしかめ、節目となる旅をしているのだと強く実感する。
ジェンニのお弔いは家族の希望で、いわゆる通常のクリスチャンの葬儀の形式をとらず、ごく簡素で親密なものでした。皆で一緒に食事をするのは翌日にすることにして、私たちはアントネッラと家に行き、彼女が先日トスカーナで買ってきたタルトゥーフォを食べることにする。
タリアテッレと卵のタルトゥーフォ尽くし。ギャラリストのステファノもやって来て、ジェンニの思い出話とアートの話で遅くまで語り合う夜になった。
[11/27日曜日]
日中恒例のサン・ダニエレ村に行くことにする。私たちがフリウリ地方に来るようになったのは、もちろん友人たちが住んでいるからだけれど、実はプロシュットの産地として有名なサン・ダニエレ村を訪ねたいというのもきっかけのひとつだった。そして初めて私たちをサン・ダニエレ村に連れて行ってくれたのが、ジェンニだったのだ。以来、何度もジェンニやその家族たちとサン・ダニエレ村に行っている。本当にすべてが不思議な縁でつながれている。今日はアントが連れて行ってくれる。昼はもちろんいつもジェンニたちと行ったBINTARSでプロシュットを堪能することにした。
昼前にBINTARSに到着。日曜とあって、昼食のテーブルの予約は満席。でも、1時前に食べ終えるなら大丈夫ということで、早めの昼にすることに。ここの店はメニューはひとつしかなくほぼ自動的に人数分のプロシュットとフォルマッジオ、カルチョフィとキノコのオイルマリネなどのつけあわせのセットが運ばれてくる。ワインと水も入れて、ひとり分が18エウロ、約2000円という驚愕のお代です。質量ともにまちがいなくブオニッシモでした。
サンダニエレの昼食後、CICIGOLISのアントの実家へ。
母親のマンマ・アンナに挨拶に行く。
アンナがこの地方の伝統的なお菓子、ストゥルッキを作って待っていてくれた。
小さな村を散策、のどかな山の風景と清浄な空気に、心が澄んでいくような気持ち。
さて一旦家に戻り、しばし休憩してからウーディネ郊外のアグリツーリズモのオステリア、
DAI SPADONSに向かう。農場を持ち、ワイン作りも手がけるフリウリ料理の店だ。
日曜の夜とあって、次々と客が入ってきて大盛況。ここでジェンニの家族や友人たち11人で食事をする。メニューはないので、てんでに口頭で注文するのがこういった店のスタイル。
長いテーブルについて、まずはジェンニに献杯。気心しれた身内ばかり、久しぶりに集まった一同で賑やかな食事が開始。ひととおり食事がすむと適当に席を替えて、また話しこむ。もちろんジェンニとの思い出話が中心だ。私はいつも旅のメモというか日記を細かくつけているのだが、今回思うところあって、この十数年分を持参してきていた。これが思い出のクロニクルとなって話ができたのも、まったく仕組まれたような感じがする。テーブルの片隅にジェンニが居て、にこにこ笑いながら頷いているような気がしてくる。
料理はすべて伝統的なフリウリ料理。ムゼット、ラブロヴァーダ、フリッコ、ポレンタ、サルシッチャ、ファッジョーリと麦のズッパ、エルバ入りフリッタータ、どれも自然な味わい。
[11/28月曜日]
ウーディネのアントネッラのスタジオにきて、久しぶりの安定したネット環境で、まとめて更新しています。
アントとエマヌエルでカタログ用の商品撮影中。ここ数日のウーディネの町のスナップをアップ。どこへ行ってもカフェとブリオッシュ、ジェラートがおいしい。クリスマスのイルミネーションもつき始めています。
午後、ウーディネから車で小1時間のトリエステに行く。トリエステに着いたとたん、有名な強烈な山おろしの風、BORAの洗礼を受ける。ともかくめちゃくちゃ寒いので、広場に面したカフェに駆け込み、これもまた名物のチョコラータで体をあたためる。お汁粉状態の濃いチョコラータは、エネルギーチャージする感じ。
世界一美しいと云われる広場は、クリスマスのイルミネーションで一段とロマンティック。あまりの寒さに逆にハイになって、アントとはしゃぎながら歩く。ポケモンGOにはまっているアントは、この広場にはうじゃうじゃいると喜んでいる。ほとんどの店が休む月曜日は人気が少なく、街全体が異次元のような美しさだ。列車の時間に間に合うよう、カフェでフリウリ風スプリッツでひと休みしてからウーディネに戻る。
午後にアントネッラとトリエステに行き、夜遅くにヴェネツィアに戻ってきました。旅行から帰ってきたという気分。まるでマンマがいた時と同じようにしつらえをし、これからの数日をここで過ごします。心配していたより、哀しくはなくて、懐かしさと安心感がまさっているような。ネット環境も向かいに住むシーラのwIfiを共有することができ、安定しています。
[11/29火曜日]
今日から私たちのいつものヴェネツィア暮らしが始まる。今まではマンマと一緒だったけれど、今回はふたり暮らし。でもマンマは何処かにいるような、不思議な存在感を感じる。きっとほんとに居てくれている気がしてならない。
午前中、少し片づけをしてからサン・ジョルジョマッジョーレのチーニコレクションの展示を見に行く。
セレニッシマ、晴朗なるというヴェネツィアの形容詞そのままの晴天で、写真を撮るのもばからしくなるほどの眺め。MINDFUL HAND'Sというタイトルの中世のミニアチュールと技法、そしてそのデジタル再現の展示は映像のプレゼンテーションも含めて素晴らしく興味は尽きない。
なにより、「死人の11月」といわれるこの季節は美術館は人気が少なく、どこへ行っても展示室をひとり占めできる贅沢を味わえる。
同時に開催しているVENINIのガラスの展示も見て、かなり疲れるが、サン・ジョルジョマッジョーレはやや遠出の感のある場所なので、ティントレットの最後の晩餐も久しぶりに見ておくことにする。
すっかりお昼を過ぎるまで美術館に居たので、お腹がぺこぺこ。ヴァポレットでZATTEREまで行き、スキャヴォーニ河岸の立ち飲みワイン屋で名物のチケッティやオープンサンドをつまむ。これが引き金となり、そのあとサン・バルトロメオまで歩き、調子に乗ってまた例のモッツァレラの揚げパンやフリットミストまで食べてしまった。夕方になっても一向にお腹が減らないのは当然なのに、アペリティーヴォのタイミングでサンドラの家に寄ったので、またジーナの手料理のズッパとリゾットのコロッケと、結局食べてばかり。こうして眼福と満腹の1日が過ぎてゆく。
全面改装でデパートになってしまった元中央郵便局だったドイツ人商館。構造は残っているものの、かつての堂々とした美しさは失われ、まるで空港の免税ショッピングセンター化していてがっかり。どこも中国の観光客で埋めつくされているのは、東京と同じ光景だ。
けれども、360度を見渡せる屋上のテラスからの眺めはヴェネツィア随一といえるかもしれない。ちょうど日没の瞬間に間に合い、しばしその圧倒的な美しさに浸る。
[11/30水曜日]
私たちの滞在も半分を過ぎ、後1週間となりました。いつもここからが早いのです。
今朝は階上に住む、マンマの友人フォスカリーナに会いに行く。
かつてはソプラノのオペラ歌手だったフォスカはいつも美しい声で挨拶しにきていたものだ。私たちが来ていることを知らなかったフォスカはベルを鳴らしたのがイサオ君と分かってびっくり仰天。うれしい驚き!と喜んでくれた。やはり少し年を取ってはいたけれど、歌声も変わらず、思ったより元気そうでほっとする。お茶を飲みながらしばしおしゃべり。お土産はいつものcerotto、湿布薬。
夕食はまたサンドラの家で食べることになっているので、今日こそは胃腸の調整を万全にしておこうと、朝からごはんを炊いておにぎりを作る。インスタント味噌汁とおにぎりのお昼の後、ヴァポレットでアカデミア美術館へ。今回の目的は修復のすんだヒエロニムス・ボスの展示。
時を超えて鮮やかに蘇ったトリプティックはディティールのどこを見ても小宇宙にひきこまれるようで、いつまで見つめても見飽きることがない。この時期、美術館はどこもガラガラ。ボスの世界を独り占めして見る至福を味わう。この展示を見ただけでも、ヴェネツィアに来た甲斐があったと思う。
散々ガン見したあと、全体の展示を見て回るも、最も好きなカルパッチョが修復中で見られなかったのが、ちょっと残念。次回来た時には美しく生まれ変わったオルソラ伝説が見られることを期待。
アカデミアからはゆっくりパッセジャータを楽しみながら戻る。ロスティッチェリアでカフェとトイレ休憩して、いつもの店でプロポリスの飴を買う。今日も夕暮れが美しい。
夕方途中で量り売りのヴィーノとお菓子を買って、サンドラの家に行く。ドアを開けるとすでに鶏の焼けるいい匂いが漂っている。ジーナが得意の鶏とじゃがいものオーブン焼き、アル・フォルノを製作中なのだ。
持ってきた小さなおにぎりをまずプリモ?として食べる。
ジューシーに焼き上がった鶏はニンニクとローズマリーの香りが香ばしく、皮はぱりぱり。
調整の効果あって、フォルマッジオまでも順調に食べ進むものの、やはり最後は寝落ちしてしまい、食後のお菓子、BABAには辿り着けなかったことを報告します。
最初からこの週末はウーディネの友人たちを訪ねる予定だったけれど、何ということか以前から入院していた友人の女性が亡くなり、その葬儀に参列することになってしまった。
予定通りの電車に乗って昼頃ウーディネに到着、友人のアントネッラが迎えにきてくれる。
まるで図ったように午後からの病院の礼拝堂と墓地での葬儀両方に立合うことができた。ヴェネツィアに通うこと20年、そしてウーディネに来るようになって14年が経つ。奇しくもその間に知り合った人々にいっぺんに会う機会となった。私たちがいるので、皆びっくりしているのも当然だが、一番驚いているのは私たちなのだ。
天に召されたジェンニが奇跡のように私たちを導いてくれたとしか思えない。今回はいよいよいろんな意味で変化をたしかめ、節目となる旅をしているのだと強く実感する。
ジェンニのお弔いは家族の希望で、いわゆる通常のクリスチャンの葬儀の形式をとらず、ごく簡素で親密なものでした。皆で一緒に食事をするのは翌日にすることにして、私たちはアントネッラと家に行き、彼女が先日トスカーナで買ってきたタルトゥーフォを食べることにする。
タリアテッレと卵のタルトゥーフォ尽くし。ギャラリストのステファノもやって来て、ジェンニの思い出話とアートの話で遅くまで語り合う夜になった。
[11/27日曜日]
日中恒例のサン・ダニエレ村に行くことにする。私たちがフリウリ地方に来るようになったのは、もちろん友人たちが住んでいるからだけれど、実はプロシュットの産地として有名なサン・ダニエレ村を訪ねたいというのもきっかけのひとつだった。そして初めて私たちをサン・ダニエレ村に連れて行ってくれたのが、ジェンニだったのだ。以来、何度もジェンニやその家族たちとサン・ダニエレ村に行っている。本当にすべてが不思議な縁でつながれている。今日はアントが連れて行ってくれる。昼はもちろんいつもジェンニたちと行ったBINTARSでプロシュットを堪能することにした。
昼前にBINTARSに到着。日曜とあって、昼食のテーブルの予約は満席。でも、1時前に食べ終えるなら大丈夫ということで、早めの昼にすることに。ここの店はメニューはひとつしかなくほぼ自動的に人数分のプロシュットとフォルマッジオ、カルチョフィとキノコのオイルマリネなどのつけあわせのセットが運ばれてくる。ワインと水も入れて、ひとり分が18エウロ、約2000円という驚愕のお代です。質量ともにまちがいなくブオニッシモでした。
サンダニエレの昼食後、CICIGOLISのアントの実家へ。
母親のマンマ・アンナに挨拶に行く。
アンナがこの地方の伝統的なお菓子、ストゥルッキを作って待っていてくれた。
小さな村を散策、のどかな山の風景と清浄な空気に、心が澄んでいくような気持ち。
さて一旦家に戻り、しばし休憩してからウーディネ郊外のアグリツーリズモのオステリア、
DAI SPADONSに向かう。農場を持ち、ワイン作りも手がけるフリウリ料理の店だ。
日曜の夜とあって、次々と客が入ってきて大盛況。ここでジェンニの家族や友人たち11人で食事をする。メニューはないので、てんでに口頭で注文するのがこういった店のスタイル。
長いテーブルについて、まずはジェンニに献杯。気心しれた身内ばかり、久しぶりに集まった一同で賑やかな食事が開始。ひととおり食事がすむと適当に席を替えて、また話しこむ。もちろんジェンニとの思い出話が中心だ。私はいつも旅のメモというか日記を細かくつけているのだが、今回思うところあって、この十数年分を持参してきていた。これが思い出のクロニクルとなって話ができたのも、まったく仕組まれたような感じがする。テーブルの片隅にジェンニが居て、にこにこ笑いながら頷いているような気がしてくる。
料理はすべて伝統的なフリウリ料理。ムゼット、ラブロヴァーダ、フリッコ、ポレンタ、サルシッチャ、ファッジョーリと麦のズッパ、エルバ入りフリッタータ、どれも自然な味わい。
[11/28月曜日]
ウーディネのアントネッラのスタジオにきて、久しぶりの安定したネット環境で、まとめて更新しています。
アントとエマヌエルでカタログ用の商品撮影中。ここ数日のウーディネの町のスナップをアップ。どこへ行ってもカフェとブリオッシュ、ジェラートがおいしい。クリスマスのイルミネーションもつき始めています。
午後、ウーディネから車で小1時間のトリエステに行く。トリエステに着いたとたん、有名な強烈な山おろしの風、BORAの洗礼を受ける。ともかくめちゃくちゃ寒いので、広場に面したカフェに駆け込み、これもまた名物のチョコラータで体をあたためる。お汁粉状態の濃いチョコラータは、エネルギーチャージする感じ。
世界一美しいと云われる広場は、クリスマスのイルミネーションで一段とロマンティック。あまりの寒さに逆にハイになって、アントとはしゃぎながら歩く。ポケモンGOにはまっているアントは、この広場にはうじゃうじゃいると喜んでいる。ほとんどの店が休む月曜日は人気が少なく、街全体が異次元のような美しさだ。列車の時間に間に合うよう、カフェでフリウリ風スプリッツでひと休みしてからウーディネに戻る。
午後にアントネッラとトリエステに行き、夜遅くにヴェネツィアに戻ってきました。旅行から帰ってきたという気分。まるでマンマがいた時と同じようにしつらえをし、これからの数日をここで過ごします。心配していたより、哀しくはなくて、懐かしさと安心感がまさっているような。ネット環境も向かいに住むシーラのwIfiを共有することができ、安定しています。
[11/29火曜日]
今日から私たちのいつものヴェネツィア暮らしが始まる。今まではマンマと一緒だったけれど、今回はふたり暮らし。でもマンマは何処かにいるような、不思議な存在感を感じる。きっとほんとに居てくれている気がしてならない。
午前中、少し片づけをしてからサン・ジョルジョマッジョーレのチーニコレクションの展示を見に行く。
セレニッシマ、晴朗なるというヴェネツィアの形容詞そのままの晴天で、写真を撮るのもばからしくなるほどの眺め。MINDFUL HAND'Sというタイトルの中世のミニアチュールと技法、そしてそのデジタル再現の展示は映像のプレゼンテーションも含めて素晴らしく興味は尽きない。
なにより、「死人の11月」といわれるこの季節は美術館は人気が少なく、どこへ行っても展示室をひとり占めできる贅沢を味わえる。
同時に開催しているVENINIのガラスの展示も見て、かなり疲れるが、サン・ジョルジョマッジョーレはやや遠出の感のある場所なので、ティントレットの最後の晩餐も久しぶりに見ておくことにする。
すっかりお昼を過ぎるまで美術館に居たので、お腹がぺこぺこ。ヴァポレットでZATTEREまで行き、スキャヴォーニ河岸の立ち飲みワイン屋で名物のチケッティやオープンサンドをつまむ。これが引き金となり、そのあとサン・バルトロメオまで歩き、調子に乗ってまた例のモッツァレラの揚げパンやフリットミストまで食べてしまった。夕方になっても一向にお腹が減らないのは当然なのに、アペリティーヴォのタイミングでサンドラの家に寄ったので、またジーナの手料理のズッパとリゾットのコロッケと、結局食べてばかり。こうして眼福と満腹の1日が過ぎてゆく。
全面改装でデパートになってしまった元中央郵便局だったドイツ人商館。構造は残っているものの、かつての堂々とした美しさは失われ、まるで空港の免税ショッピングセンター化していてがっかり。どこも中国の観光客で埋めつくされているのは、東京と同じ光景だ。
けれども、360度を見渡せる屋上のテラスからの眺めはヴェネツィア随一といえるかもしれない。ちょうど日没の瞬間に間に合い、しばしその圧倒的な美しさに浸る。
[11/30水曜日]
私たちの滞在も半分を過ぎ、後1週間となりました。いつもここからが早いのです。
今朝は階上に住む、マンマの友人フォスカリーナに会いに行く。
かつてはソプラノのオペラ歌手だったフォスカはいつも美しい声で挨拶しにきていたものだ。私たちが来ていることを知らなかったフォスカはベルを鳴らしたのがイサオ君と分かってびっくり仰天。うれしい驚き!と喜んでくれた。やはり少し年を取ってはいたけれど、歌声も変わらず、思ったより元気そうでほっとする。お茶を飲みながらしばしおしゃべり。お土産はいつものcerotto、湿布薬。
夕食はまたサンドラの家で食べることになっているので、今日こそは胃腸の調整を万全にしておこうと、朝からごはんを炊いておにぎりを作る。インスタント味噌汁とおにぎりのお昼の後、ヴァポレットでアカデミア美術館へ。今回の目的は修復のすんだヒエロニムス・ボスの展示。
時を超えて鮮やかに蘇ったトリプティックはディティールのどこを見ても小宇宙にひきこまれるようで、いつまで見つめても見飽きることがない。この時期、美術館はどこもガラガラ。ボスの世界を独り占めして見る至福を味わう。この展示を見ただけでも、ヴェネツィアに来た甲斐があったと思う。
散々ガン見したあと、全体の展示を見て回るも、最も好きなカルパッチョが修復中で見られなかったのが、ちょっと残念。次回来た時には美しく生まれ変わったオルソラ伝説が見られることを期待。
アカデミアからはゆっくりパッセジャータを楽しみながら戻る。ロスティッチェリアでカフェとトイレ休憩して、いつもの店でプロポリスの飴を買う。今日も夕暮れが美しい。
夕方途中で量り売りのヴィーノとお菓子を買って、サンドラの家に行く。ドアを開けるとすでに鶏の焼けるいい匂いが漂っている。ジーナが得意の鶏とじゃがいものオーブン焼き、アル・フォルノを製作中なのだ。
持ってきた小さなおにぎりをまずプリモ?として食べる。
ジューシーに焼き上がった鶏はニンニクとローズマリーの香りが香ばしく、皮はぱりぱり。
調整の効果あって、フォルマッジオまでも順調に食べ進むものの、やはり最後は寝落ちしてしまい、食後のお菓子、BABAには辿り着けなかったことを報告します。
by tencovenexiana
| 2017-01-10 01:46
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