2017年 12月 28日
冬の味モスタルダ・ヴィチェンツィーナ |
なので、イタリアでもナターレから年末にかけて、最もよく作る料理のひとつです。
久しぶりに帰郷する家族のために、とっておきの郷土の味を用意するのもナターレならでは。ヴェネトでは、モスタルダ・ヴィチェンツィーナ(ヴィチェンツァのマスタードの意)というナターレの味があります。
ようするにリンゴやマルメロ、梨ベースのジャムなのだけれど、なんと辛子が入っていて、甘いのにぴりっとくる不思議な風味は病みつきになること間違いなし。マスカルポーネとの相性が最高で、パンにマスカルポーネ、そしてその上にこのモスタルダをたっぷりぬる。年一度のナターレにこれを食べ、懐かしさと辛子の刺激とで涙にむせぶということになるらしい。
ボリート肉やロースト肉に添えたり、フォルマッジオと一緒に食べたり、なかなか重宝な一品。ナターレの時期には欠かせないとあって、町の食料品店の店先には美しくドライフルーツでデコレーションされたモスタルダの小樽が並びます。
私は毎年暮れにはマンマよろしくモスタルダを仕込むことにしています。おせちを用意するような、年中行事という感じ。
ほんとうはmele cotogne(マルメロ)を使うのですが、手軽に手に入って作りやすいリンゴで作ります。
柔らかい味わいの黄色いリンゴ、信濃ゴールドや王林が向いています。作り方は簡単。
2)ムーランでりんごを裏ごし。グラニュー糖を加えて煮つめます。甘さは好みですが、ふつうのジャムよりぐっと甘さ控えめに。塩をひとつまみ、隠し味に。
3)あら熱をとってから、洋からしをゆるく溶いたものを入れて混ぜ込みます。
イタリアには辛子のエッセンスなるもの(液状)があるらしいのですが、日本では手に入らないので。
辛子の量は好みですが、ぴりっと来るくらいけっこう入れます。でも、最初は味を見ながら少しずつ加えましょう。
4)ビンに小分けにして冷蔵庫で保存。タッパーに入れて冷凍保存もできます。
by tencovenexiana
| 2017-12-28 14:32
| 料理/cucina