2017年 01月 10日
2016年ヴェネツィア旅日記(2週目続き) |
[12/1木曜日]
今日も晴天。まだ歩いていないサンポーロ地区を歩く予定。まず駅へ行って週末に行くバッサーノ行きのビリエットを買い、スカルツィ橋を渡ってリアルト市場まで歩く。思い出深い市場のあちこち、特に行きつけだったマウリツオの魚売り場を見ていると、いつも一緒だったマンマがいない寂しさにおそわれてしまい、一瞬何も考えられなくなってしまった。今まで不思議に感じることがなかった哀しみ。やはりここは私にとって特別な場所なのかもしれない。気を取り直して、お土産用のドライトマトを買い、市場の裏手のRUGA RIALTOへ。
ここもマンマとよく来た店だ。いかにも居酒屋といった風情で、地元のおっさん率が高い。並べられたヴェネツィア名物のチケッティ(前菜風の酒のつまみ料理)を適宜選び、ヴィーノを注文するヴェネツィア的作法、オンブラ・エ・チケッティ。市場周辺の店も、チェーン展開のモダンな作りのパスティチェリアやパン屋、スナックバールやカフェが増えている。昔ながらの店が残っているとやはりほっとする。


午後はC'a Pesaro、カ・ペーザロ館で開かれている「CULTURE CHANEL/ LA DONNA CHE LEGGE」の展示を見に行く。有名なパリ、カンボン通りのシャネルのアパートを占めていた膨大で貴重な本と所蔵品を初公開し、その生涯と生きた時代を浮き彫りにする「本を読む女」というタイトルの展示。まるで図書館のようなインスタレーションになっていて、スタッフが質問に答えてくれる。非常な読書家であったココが愛し、インスピレーションを受けた多くの本と芸術。ピカソ、ジャン・コクトー、アポリネール、プルースト、ブルトン、ピカビア、ジャコメッティーーーきらめくような芸術家、詩人たち。とりわけコクトーの映像作品が薄暗い空間の中に浮かび上がり、あの美女と野獣の世界へひきずり込まれていくような。いくつかのオブジェ以外は撮影可能なのだが、どのように撮ってもこの空気感は伝わらないなとあきらめる。「ココは著書としての本は残さなかったが、そのかわり布と造形と色で"書いた”」とある。

CHANELの展示に圧倒されてふらふらしながら戻る途中、
ジーナの家に挨拶に寄って帰ろうとすると、窓からもの凄い美しさの夕焼けが見える。
慌てて外に出て、絶好の夕焼けポイントのグーリエ橋のたもとに駆けつける。日没までの間、興奮して写真を撮っていると、アレシアとそのマンマのラウラが通りかかる。美術館の中や劇場より、時として外の景観のほうが美しい、ヴェネツィアはやはり世界で唯一の場所なのだと思う。

6時にアドリアーノと家で待ち合わせ。私たちが日本に帰る前に彼らは山の別宅に行く予定なので、最終的な鍵の受け渡しのことなど申し送りのためだ。
マンマの思い出の品をいくつか持ち帰ることを承諾してもらうこともできた。
今夜は家で食べようと近所の食料品店でサルシッチャとポレンタを買ってきた。いつも通りイサオ君がポレンタを作る。ジーナが分けてくれた豚肉のスカロップとサルシッチャ、ポレンタ、フィノッキオのピンツィモーニオという典型的なヴェネトの食卓。ヴィーノは近所のアルベルトの店の量り売り、新酒のnovelloだ。
家でゆっくり食べると、やはりくつろげる。あらためてマンマとの出会いに感謝する。

これまでの疲れも解消すべく、久々に早寝をすることにした。なんと8時半にベッドに入り、9時間ぶっ通しで爆睡。ちょっと生まれ変わったような気持ちになる。
[12/2金曜日]
今日はお昼にカパルンガ、つまりマテ貝を食べようということになった。近所の道にテントを広げた魚屋では見つからず、ならばと朝からリアルト市場に行く。ヴァポレットは75分以内に行って帰れば1回分の料金で済むというルールがある。市場での買い物75分勝負だ。魚市場に直行すると、カパルンガはすぐに見つかった。せっかくなのでイサオ君の好きなアンコウ、コーダ・ディ・ロスポも買う。レモンとプレッツェーモロ、ニンニクも忘れずに。次は20年来通う店、Casa del Parmigianoへ。昼の買い物客で混み合う中、冗談を飛ばしながら応対してくれる。フォルマッジオをみつくろい、自家製のポルケッタをスライスしてもらう。これは、今夜のチャーシュー麺用。仕上げにアルベルトの店で量り売りのヴィーノビアンコ、トラミネールを買って家に帰り、急いで昼食の支度。はたしてマンマのリチェッタ通りのカパルンガもコーダ・ディ・ロスポも美味なのでした。






今日はさしたる目的も用事もなく食べて散歩する1日でした。土曜日からまた2泊3日の週末旅行でバッサーノとヴィチェンツァへ。


今日も晴天。まだ歩いていないサンポーロ地区を歩く予定。まず駅へ行って週末に行くバッサーノ行きのビリエットを買い、スカルツィ橋を渡ってリアルト市場まで歩く。思い出深い市場のあちこち、特に行きつけだったマウリツオの魚売り場を見ていると、いつも一緒だったマンマがいない寂しさにおそわれてしまい、一瞬何も考えられなくなってしまった。今まで不思議に感じることがなかった哀しみ。やはりここは私にとって特別な場所なのかもしれない。気を取り直して、お土産用のドライトマトを買い、市場の裏手のRUGA RIALTOへ。
ここもマンマとよく来た店だ。いかにも居酒屋といった風情で、地元のおっさん率が高い。並べられたヴェネツィア名物のチケッティ(前菜風の酒のつまみ料理)を適宜選び、ヴィーノを注文するヴェネツィア的作法、オンブラ・エ・チケッティ。市場周辺の店も、チェーン展開のモダンな作りのパスティチェリアやパン屋、スナックバールやカフェが増えている。昔ながらの店が残っているとやはりほっとする。


午後はC'a Pesaro、カ・ペーザロ館で開かれている「CULTURE CHANEL/ LA DONNA CHE LEGGE」の展示を見に行く。有名なパリ、カンボン通りのシャネルのアパートを占めていた膨大で貴重な本と所蔵品を初公開し、その生涯と生きた時代を浮き彫りにする「本を読む女」というタイトルの展示。まるで図書館のようなインスタレーションになっていて、スタッフが質問に答えてくれる。非常な読書家であったココが愛し、インスピレーションを受けた多くの本と芸術。ピカソ、ジャン・コクトー、アポリネール、プルースト、ブルトン、ピカビア、ジャコメッティーーーきらめくような芸術家、詩人たち。とりわけコクトーの映像作品が薄暗い空間の中に浮かび上がり、あの美女と野獣の世界へひきずり込まれていくような。いくつかのオブジェ以外は撮影可能なのだが、どのように撮ってもこの空気感は伝わらないなとあきらめる。「ココは著書としての本は残さなかったが、そのかわり布と造形と色で"書いた”」とある。

CHANELの展示に圧倒されてふらふらしながら戻る途中、
ジーナの家に挨拶に寄って帰ろうとすると、窓からもの凄い美しさの夕焼けが見える。
慌てて外に出て、絶好の夕焼けポイントのグーリエ橋のたもとに駆けつける。日没までの間、興奮して写真を撮っていると、アレシアとそのマンマのラウラが通りかかる。美術館の中や劇場より、時として外の景観のほうが美しい、ヴェネツィアはやはり世界で唯一の場所なのだと思う。

6時にアドリアーノと家で待ち合わせ。私たちが日本に帰る前に彼らは山の別宅に行く予定なので、最終的な鍵の受け渡しのことなど申し送りのためだ。
マンマの思い出の品をいくつか持ち帰ることを承諾してもらうこともできた。
今夜は家で食べようと近所の食料品店でサルシッチャとポレンタを買ってきた。いつも通りイサオ君がポレンタを作る。ジーナが分けてくれた豚肉のスカロップとサルシッチャ、ポレンタ、フィノッキオのピンツィモーニオという典型的なヴェネトの食卓。ヴィーノは近所のアルベルトの店の量り売り、新酒のnovelloだ。
家でゆっくり食べると、やはりくつろげる。あらためてマンマとの出会いに感謝する。

これまでの疲れも解消すべく、久々に早寝をすることにした。なんと8時半にベッドに入り、9時間ぶっ通しで爆睡。ちょっと生まれ変わったような気持ちになる。
[12/2金曜日]
今日はお昼にカパルンガ、つまりマテ貝を食べようということになった。近所の道にテントを広げた魚屋では見つからず、ならばと朝からリアルト市場に行く。ヴァポレットは75分以内に行って帰れば1回分の料金で済むというルールがある。市場での買い物75分勝負だ。魚市場に直行すると、カパルンガはすぐに見つかった。せっかくなのでイサオ君の好きなアンコウ、コーダ・ディ・ロスポも買う。レモンとプレッツェーモロ、ニンニクも忘れずに。次は20年来通う店、Casa del Parmigianoへ。昼の買い物客で混み合う中、冗談を飛ばしながら応対してくれる。フォルマッジオをみつくろい、自家製のポルケッタをスライスしてもらう。これは、今夜のチャーシュー麺用。仕上げにアルベルトの店で量り売りのヴィーノビアンコ、トラミネールを買って家に帰り、急いで昼食の支度。はたしてマンマのリチェッタ通りのカパルンガもコーダ・ディ・ロスポも美味なのでした。






今日はさしたる目的も用事もなく食べて散歩する1日でした。土曜日からまた2泊3日の週末旅行でバッサーノとヴィチェンツァへ。


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by tencovenexiana
| 2017-01-10 02:28
| venezia2016